ModelerGP2008にエントリーするつもりで作っていたのですが、エントリー締め切り間際になっても完成の見込みが立たないので結局エントリーを見合わせてしまいました。
完成したのは翌年の春、梅の花が咲きほころぶ頃になってしまいました。
今年のModeler GPに遅ればせながらエントリーする次第で、作ったのは1974 DUCATI 750ss イモラレプリカの自己流レプリカです。
ベースキットはProtar 1/9 DUCATI 750s を使うつもりでしたが、調べていくうちに殆ど使い物にならないことが分かり、部品の殆どをプラ板や手持ちの材料で自作しなければなりませんでした。
キットのエンジン部品を見ると自分のイメージした形から程遠いので、資料写 真から大まかな寸法を割り出しプラ板の積層でシリンダーを作ることにしました。 シリンダーから上部分の寸法に所定の枚数のフィンを当てはめるために、市販のプラ板では1枚でピッタリとは行かず、フィンとフィンの間でプラ板の合板を作り合わせていきました。
ヘッド部分はキットの部品を整形し、ロッカーアーム調整蓋はプラ板で作り直しています。
直立シリンダーが出来、取りあえずシルバーに色づけして様子見です。
水平シリンダー作り。
一見単純な形に見えるシリンダーですが、フィンの形状や枚数が縦横枚数が違ったり、ベベルギヤシャフトのトンネル避けでえぐれていたり、ヘッド側のフィンが一部シリンダーに食い込んでいてそのためにシリンダーフィンが短くなっていたりと凄くバラエティーに富んだ形状をしています。
シリンダーとヘッド部品が出来上がりました。
シリンダーとヘッドを接合して排気ポート側から見ています。 直立シリンダーの全高にピッタリ合う様に作れました。
前後のシリンダーをクランクケースに合体、シルバーに色づけしています。 シリンダー外壁に相当するスペーサーの形はシリンダーガスケットを引用して作り、横方向から見た場合にスタッドボルト穴のトンネルの起伏を表現しました。
キット部品のクランクケース冷却フィンは、フィンの高さが低く波打っているのでモールドを全部削り落とし丸坊主にしてから新たにプラ板を貼って再現しました。
キットのキャブレター部品は金型のズレが激しく、2個の内1個は完全にアウト。修正するより作った方が早いとばかりプラ板とプラ棒、ピストンをアルミ棒という材料で工作です。
フロートチャンバーとボディーは別 体で工作、ボディーの中にアルミ棒で作ったピストンを忍ばせます。
取り付けフランジをプラ板で作り、締め付けナットをプラ板から切り出し、デロルトキャブの形が徐々に出来てきました。 ボディー上部からピストンを落としいれ、蓋をすれば完成ですがファンネル作りが残っています。
ファンネルになる適当な材料が無いので、8mmプラパイプを火であぶり、伸ばしています。 何回かやって良い所取りでベースが出来、クラフトカッターを使ってせっせと削り込みです。
1個作って複製・・なんて技は持ち合わせていないのでシコシコと二つ同じ形に作っています。 ファンネルも塗装して本体と合体、デロルトキャブの完成です。 この後前後キャブのインマニも作ります。
 エンジンの細かい部品を作り、完成したエンジンを冶具にして間違いだらけのフレームを直しています。
 変な部分に有るカーブを直線に直すだけですが、微妙に長さが変わるためにエンジンに合わせて作らないと全体に影響して来ます。
 片側のフレームが完成したら、同じ様に再度エンジンを冶具にして残った片側を仕上げました。
  取りあえずエンジンを中心にしたフレームは一応完成しましたが、一応であって万事OKとはなりません。
  これからスクラッチしていく各部品によってバランスを見ながら修正していきます。
 バッテリーホルダーやリヤのブレーキマスターシリンダー取り付けホルダーなど補記部品の取り付く箇所を作り、フレーム修正作業は一時終了です。
 キットのフロントサスとは全く形状が違うサスを作るため材料のサイズをいろいろ考えましたが、旋盤などという機械は持っていないので市販で手に入る材料で違和感の無い様に作る事にしています。
  ボトムケースには5mmプラパイプ、インナーチューブには4mmアルミパイプを使います。 外径5mmのパイプに4mmの穴を空けると裂けてしまうので、5mmパイプの外側に0.3mmプラ板を巻き付けて接着。
 丁度作ろうとしている形状と合うので、補強を兼ねての工作です。
 右端がキット部品、アクスルシャフトの位 置も違うので、細かなディティールと共に寸法に間違いの無い様に工作して行きます。
 アクスルシャフトが通る穴の部分、フェンダー取り付け用のブロック、ダストカバー兼用のワイヤークリップがはまる溝などを作りこみ、取りあえずストップ。
 キット部品の三つ又とトップブリッジを組んでフレームに仮組みしたところ、案の定キャスター角が立ち過ぎているのと、ダブルディスクにするためには幅が狭すぎです。
想定通りの結果なので当然といえば当然。 早速2mmプラ板の積層でトップブリッジと三つ又を試作しています。
 フロントサスが出来上がったのでホイール作りに移ります。
 キットのホイールは全くの別物でドカホイールの特徴であるストレートスポークでは有りません。
 以前作ったノートンコマンド・プロダクションレーサーのホイールを共通部品としているという誠にイタリアン、、、プロターらしい内容です。
 左がフロント、右リヤですがトリプルディスクにするためにはハブから作り直さないといけないわけで・・・。
 シングルディスクのフロントのディスクの付かない部分の部品のモールドですが、ぎざぎざの山部分にスポークが通 ることになっているのですが、数が多すぎるのと、山が小さいので模様の様になっています。
 その部分はドカのホイールの特徴的な部分なので正確に表現しようとしています。
 プラ板からその部分だけ切り出して成型しています。
 プラ板の積層でハブを作っています。  中心の部品はキット部品の一部分を切り出して使っています。
 ハブの左右には回転方向に多少のズレ が有ります。
 そのズレを付けておかないと、スポークを張った時にパターンが不正確になってしまいます。
 そのズレを正確に付ける事と、スポークの通る穴あけ方向に間違いを犯すとスポークを張る事は出来ません。
 1mm幅の所に0.4mmのスポーク穴を交差する様に2箇所空けます。
 ハブが出来たらディスクローターを作ります。
 ハブとの接触面とローター部分は2mm近くの段差が有るので、プラ板の積層と削り込みで斜め部分を作り、ローターと接触面 はプラ板から切り出しています。
 斜めの部分に空間を設けるため切り込んで四角く穴を空けています。
 リムの整形が済みハブにスポークを差し込んでパターンと差異が無いかを確認しています。
 確認できればリムとハブを塗装して部品として完成させます。
 張りが終わって、作り置いていたディスクローターを組み付け、プラ板から切り出したボルトの頭とワッシャーを付けて完成です。
 リヤホイールはディスクローターの径が小さく、片側に緩衝ラバーが内蔵されたハブが取り付く構造ですが、作り方の基本は変わりません。
 サスに仮組みをしてディスクローターとボトムケースの隙間を確認しています。
 この隙間を計算に入れてブレーキキャリパーとキャリパーをホールドするボトムケース側に有るプレートを作ります。
 キットのキャリパーは当然ながら1個しか有りません。
 スカラブのキャリパーを模してプラ板工作で3個作っています。
 キャリパーをホルダーと共に仮組み、良ければ接着して塗装に移ります。
 リアホイール関係の部品を作っています。
  スイングアームはキットの部品を改造して使います。
 仮組して不具合が無いか、その都度確認。
 サスペンションの取り付け部分を実車と同様にプラ板工作で作っています。
 リヤサスはプラ丸棒、プラ板アルミパイプで自作。
 シートレール幅をフレーム一本分幅を狭めているので、サスの取り付け位 置の変更をするための確認のため仮組みをしています。
 フレームに前後サスとホイール、エンジンを乗せて全体のバランスを見ています。
 まだ若干前が立ち過ぎの様な気がしてなりません。
 三つ又を作り直し、4度目の正直でやっと決まりましたが、シートレールが長すぎるのを発見して、これも作り直しです。
 修正が済んでフレームの塗装に入りました。
 ハンドルバーはキットのレバー部分を使うだけで、後はプラ棒とプラパイプで作ります。
 仮組するとこんな感じ。
塗装してハンドルバーの完成です。
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